現在我らがochiailabではTeXShopの利用を推奨している.コンパイルするには.texファイルをアイコンにドラッグし,タイプセットを押すだけという大変シンプルなものである.しかしながら,実は設定がうまく行ってなかったりすると,文字コードや関連付けの事情によりエラーを起こしてしまい,「わけわからん!!」と憤慨することとなる.
このようなことに対応するために,.texファイルをiTerm上のコマンドを打ち込むことでコンパイルする方法を紹介したいと思う.同時に,.bibファイルを作ることで,参考文献の簡単な参照の仕方も説明する.これを使うことにより,いちいち論文ごとに参考文献を最適に並べ替えたり,使用していない文献をコメントアウトしたりすることが必要なくなるので,是非活用してもらいたい.
まず,普段通り.texファイル( test.tex )とそれをコンパイルするのに必要な.cls( ieicej.cls )ファイルなどを同じフォルダに用意する(ここでは test folder に入れることとする).また,.bibファイルを使うために今回は"IEEEtran.bst"も用意しよう.
ここで,test.texとieicej.clsの文字コードが "utf-8" となっているか確認する.emacsを使っている人は,そのファイルを開き,
C-x RET f (Controlとxを同時押しー>リターンー>f)
と打ち込むと文字コード入力待機状態となるので,
utf-8 RET
と打ち込もう.こうすることで文字コードを"utf-8"に変えることができる.
つぎに,.bib(test.bib)ファイルを作ろう.ファイルの中身はこんな感じ.
@article{Thomas,
author = {C. M. Thomas and M. Y. Weidner and S. H. Durrani},
title = {{Digital Amplitude-Phase Keying with MAry Alphabets}},
journal = {IEEE Transactions on Communications},
volume = {22},
year = {1974},
pages = {168--180},
issue = {2},
doi = {10.1109/TCOM.1974.1092165},
masid = {1458543}
}
「……なんだこれ」と感じるかもしれないが,これはひとつの文献に関する情報をまとめたもので,このまとまりを自分が参照したい文献についてそれぞれ作って.bibファイルに書き込んでいく.「こんなのだるいわー」というそんなあなたも大丈夫.これはネット上で自動生成することができる.
そのやりかたの一つとして,"Microsoft Academic Search"という検索エンジンで,その文献を検索する方法がある.今回は『Digital Amplitude-Phase Keying with MAry Alphabets』を検索してみよう.するといくつか候補が出てきて,今回は一番上に目的の文献が出てきた.このページに飛んでみると,
こんなページが出現する.ここで文献名の横にある『Export』をクリックしてみてほしい.そうすると,
こんな感じで,先ほど.bibファイルに書き込んでいた情報が現れる.これをCopy&Pasteするといい.ここで,書き込んだあとに,\cite{Thomas}でこの文献を参照できるように,ラベル付けをする必要がある.これは.bibファイルの例で示したように一行目の赤色の部分に"Thomas,"と書き込むだけでよい.
こうすることによって,.bibファイルを作る.そのあと,.texファイルにこれを参照するための文章を書き込む.
\bibliographystyle{IEEEtran}
\bibliography{test}
この文章はいつも参考文献を書いている一番最後の部分に書き込めばいい."test"とかいてある部分は,参照する.bibファイルの名前を入れればいい.あとはいつものように\cite{***}によって,文献を参照するだけである.
ここまでできたら,コンパイルをはじめる.まずCurrent directoryをtestにし,そこから以下のコマンドを入力していく.
test > platex test.tex
test > bibtex test
test > platex test.tex
test > dvipdfm test.dvi
test > dvipdfm test.dvi
これで自動で順番を並び替えて参照されているtest.pdfができているはずだ.
これを活用してみんなで論文をどんどん書いていこう!
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